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子どものころ、忙しいときは手伝いに駆り出され、つらい思いをしました。

そのころから、「自営業はいやだ、サラリーマンになろう」と決めていました。 しかし、どこかに商売への思いもあったのでしょう。
大学は慶応の商学部を選びました。 1973(昭和48)年に大学を卒業し、S不動産に就職しました。
オイルショックの年でした。 18年間営業部門を歩き続け、ソビエト連邦が解体した平成3年に退職しました。
S不動産時代は、いろいろな意味でいい勉強をさせてもらいました。 その最大のものは、不動産鑑定士の資格を取得したことでしょうか。
宅建取引主任者の資格はすでに大学4年のときに取っていました。 不動産鑑定士の資格を取ったのは、入社のとき新入社員全員に「今年の8月に不動産鑑定士の試験を受けるように。」とのオーダーがあったのがきっかけです。
もちろん受かるわけがありません。 頭の隅に引っ掛かりながら、毎日の仕事に追われ、なかなか勉強ができませんでした。
5、6年して、千葉県の西船橋営業所に配属になりました。 所沢の自宅から電車で1時間半と少しかかる距離です。
この時間を無駄にしたらもったいない、通信教育で勉強しようと年間20万円も出して教材を買いました。 これを使って、往復の時間で勉強しました。
昭和56年に挑戦4回目で2次試験に合格しました。 31歳のときです。

57年秋に3次試験合格、58年3月に登録されました。 この間に結婚し、子どもも生まれ、第一線の営業係長としてバリバリ仕事もしていました。
この話をするとよく、「それは大変だったでしょうね」と言われます。 ところが、不思議なことにそういう記憶はないのです。
一所懸命でしたが、大変だったとは思わない。 目的をもって何かをやっているときはそんなものでしょう。
不動産鑑定士の資格をとって2年後の昭和60年、M不動産販売など大手不動産業5社が「不動産流通促進協議会」(通称:オープンマーケット)を発足させました。 不動産の仲介実務担当者である各社の部長、次長が中心になって、お互いの情報をオープンにしていこうという画期的な協議会です。
ところがここにS不動産は入っていませんでした。 出勤途中私はこれを日経新聞の第一面記事で知りました。
ショックでした。

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